直近では各栄養素の解説をメインに進めてきました。
栄養素に関しては常に様々な研究がなされ、多種多様な結果が発表されています。
そこから諸説生まれるのは、わたくし達人間にとってもごく当たり前な事だと思います。
その中でおおまかな基本の部分はおさえておくべきだと思いますし、ペットフードに関する法律やルール、各栄養素の解説はペットフード選びにおいても必要な知識になってきます。
しかし、これまでの話しの多くは、色々なメディアでも得られる情報でもあります。
ですので、今回は当サイトのカタログに掲載しているペットフードのデータの統計を掘り下げていきたいと思います。
まずはドッグフードのタンパク質の統計ついてお話ししていきます。
AAFCOの定める基準では、
1997年
成長・繁殖期 妊娠・授乳期 22.0%
成犬・維持期 18.0%
2016年
成長・繁殖期 妊娠・授乳期 22.5%
成犬・維持期 18.0%
※パーセンテージは最低値になり、最大値は設定されていません。
2016年の改定で成長・繁殖期 妊娠・授乳期は0.5%微増していますが「ペットフード公正取引協議会」の基準が1997年度のデータを採用していますので、1997年度の数値を基準に進めていきます。
当サイトのドッグフードカタログには2018年10月現在で約700種類のドライドッグフード総合栄養食を掲載しており、下記のグラフにまとめました。
この中から「平均値」、「最頻値」、「最大値」、「最小値」は以下になります。
平均値 24.9%
最頻値 24.0%
最大値 48.0%
最小値 14.0%
フリーズドライとエアドライ
最大値はフリーズドライフードの48.0%で、その次に大きい数値もエアドライフードの45.0%でした。
フリーズドライフードやエアドライフードは、一般的なフードの加工方法と異なり、特殊な方法となるためタンパク質の数値が高くなります。
一般的なフードよりも肉類の含有量が多く素材の栄養バランスを崩しにくいため、近年では需要が増えていると耳にする機会が増えました。
掲載しているフードの内、フリーズドライフード・エアドライフードは14種類あります。
これらを除いた場合の平均値は24.6%となり、0.3%のダウンになりました。
この際の最大値は42.0%で、最頻値と最小値に変わりはありません。
AAFCOで定められている「成犬・維持期の18.0%」を下回っているフードは18種類ありました。
これらのほとんどはダイエットフードやシニア向けフード、セミモイストフードも水分値が高くなるためからか比較的低めの数値になる傾向のようです。
最も多かった数値(最頻値)は24.0%で89種類のフードがありました。
おおむね22.0%から27.0%に集中しており、掲載フードの半数にあたる約350種類のフードがこの数値になります。
これらは各メーカーの考える健康な犬のベースとなってくるタンパク質量が、このボリュームゾーンになるものだと考えられます。
27.0%以上のフードは約180種類となり比較的選択肢は多いうえに、タンパク質量を増やしたい場合はトッピングなどの対策が取れます。
しかし、22.0%未満のフードは約140種類となり、疾病や肥満などでタンパク質の量を減らしたいケースでは選択肢が減ります。
総評
国内に流通するドッグフードの「タンパク質」の相場としては24.0%から25.0%と考えられます。
「タンパク質」を基準に選ぶ際は、この数値をベースに検討されるのも1つの方法かと思います。
Writing by shin.k