前回の「ペットフードの統計「タンパク質」ドッグフード編」に続き、今回はキャットフードの統計を掘り下げていきたいと思います。
AAFCOの定める基準では、
1997年
成長・繁殖期 妊娠・授乳期 30.0%
成猫・維持期 26.0%
2016年
成長・繁殖期 妊娠・授乳期 30.0%
成猫・維持期 26.0%
※パーセンテージは最低値になり、最大値は設定されていません。
ドッグフードとは異なり、2016年の改定ではキャットフードの変更ありませんでした。
当サイトのキャットフードカタログには2018年10月現在で約300種類のドライキャットフード総合栄養食を掲載しており、下記のグラフにまとめました。
この中から「平均値」、「最頻値」、「最大値」、「最小値」は以下になります。
平均値 32.3%
最頻値 30.0%
最大値 60.0%
最小値 23.0%
ドッグフード同様、最大値はフリーズドライフードの60.0%で、その次に大きい数値も同じくフリーズドライフードの48.0%でした。
キャットフードカタログに掲載しているフリーズドライフード・エアドライフードは9種類あり、それらを除いた一般的な加工方法のキャットフードでは46.0%が一番高くなりました。
平均値は32.3%ととなり、ドッグフードの24.9%に比べて約30%高くなっています。
上記のAAFOCOの定める基準値での対比では、成長・繁殖期 妊娠・授乳期では約36%、成猫・維持期で約44%高くなっていますが、パピー(幼犬)、キトゥン(幼猫)などステージ用フードの商品比率も異なるので特筆すべき点はないかと思います。
「雑食寄りの肉食」である犬と「肉食」の猫では必要な栄養素やカロリーが多く必要になってくるので、「タンパク質」に関してはおおむね30~40%高くなる傾向のようです。
最も多かった数値(最頻値)は30.0%で39種類のフードがありました。
30.0%から35.0%がボリュームゾーンになり半数にあたる約150種類のフードがあります。
高タンパクのキャットフードの明確な数値は決まっていませんが、35.0%を超えてくると高タンパクのフードに分類される説が一般的で約60種類あります。
AAFCOで定められている「成猫・維持期の26.0%」を下回っているフードは18種類ありました。
もちろんシニア向けやダイエット用もありますが特に表記がないフードも散見されるので、健康な成猫に食べさせる際は栄養不足にならないように注意が必要となる可能性があります。
猫は犬ほど肥満のトラブルは多くないと言われていますが、それでも肥満対策や疾病で低タンパクのキャットフードが必要な場合にはドッグフード以上に選択肢が狭まってしまいます。
総評
以上の事から、国内に流通するキャットフードの「タンパク質」の相場としては30.0%から32.0%と考えられます。
「タンパク質」を基準に選ぶ際は、この数値をベースに検討されるのも1つの方法かと思います。
Writing by shin.k