三大栄養素の最後になります「炭水化物」について解説していきます。
「炭水化物(糖類)」とは??
「タンパク質」、「脂肪(脂質)」と共に「三大栄養素」と総称されます。
ブドウ糖などの単糖類や、オリゴ糖などの小糖類、デンプンなどの多糖類から構成されている事もあり、別名として「糖質」とも呼ばれます。
栄養学上では体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」との2つに分けられ、それらの総称として「炭水化物」となります。
「糖質」は、主にエネルギー源として有名ですが、三大栄養素である「タンパク質」、「脂肪(脂質)」の中で1番早く体内に吸収されるという特徴があり、脳や赤血球、神経系にとっては血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源となります。
他にも肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵していますが、すぐ使う量以上に食べた糖質は脂肪となって蓄積されます。
「食物繊維」は犬猫にとって消化吸収はほとんどされませんが、大腸に至るまでに、コレステロールや血糖値を低下させたり、腸内環境を整えるなど様々な働きをしています。
「食物繊維」にも「水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)」と「脂溶性食物繊維」に分けられます。
主に米類や麦類、イモ類などの植物性の食物に多く含まれており、動物肉の肝臓と筋肉に含まれるグリコーゲンも糖類に分類されます。
ペットフードラボに掲載しているフードの原材料にも多くに含まれています。
糖質の多い原材料
米、小麦(小麦粉)、オーツ麦(オートミール)、さつまいも(スイートポテト)、じゃがいも(ポテト)、タピオカ、いんげん豆、えんどう(ピー)、そら豆、ひよこ豆、レンズ豆、、栗、かぼちゃ、トウモロコシ、バナナ
糖質の少ない原材料
チキン、大麦、大豆(枝豆も含む)、魚貝類、卵、キノコ類、野菜(葉菜類)、アボカド
食物繊維の多い原材料
玄米、大麦、オーツ麦(オートミール)、小麦(小麦粉)、トウモロコシ、大豆、ひよこ豆、えんどう(ピー)、おから、さつまいも、キノコ類
食物繊維の少ない原材料
米、小麦(小麦粉)、トマト
炭水化物=糖類+食物繊維
という式になりますが、「糖質」だけをピックアップすると、太るのではないかとイメージされるようで、ここ数年、炭水化物抜きダイエットや、糖質制限が流行しています。
前出の通り、実際、エネルギーとして使われなかった「糖質」は脂肪として蓄積されるため肥満に直結されますが、安易なカットが健康被害をもたらしたという話しも耳にします。
「総合栄養食」であるペットフードでは糖質カットはできないので犬猫にとって極端な健康被害は起こりにくいと考えられますが、手作り食を取り入れている飼い主さんなどでは注意が必要になります。
今回、解説してきました「炭水化物」に関しては、「ペットフード公正取引協議会」や「AAFCO」では必要な摂取量の定義は定められていませんので、表記はされていません。
Writing by shin.k