ペットフードの雑学

三大栄養素「脂肪」後編

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前編に続き「脂肪」を解説していきます。

 

「動物性の脂肪」と「植物性の脂肪」の違い

おおまかに脂肪酸のバランスが異なるのですが、「動物性の脂肪」は太りやすそう、「植物性の脂肪」は身体に良さそうというイメージがついてしまっているように感じます。

傾向として「動物性の脂肪」は飽和脂肪酸が多いものが多く、「植物性の脂肪」は不飽和脂肪酸が多いものが多いというイメージからくると思うのですが、牛肉やバター、鶏卵など「動物性の脂肪」にも不飽和脂肪酸は含まれていますし、「植物性の脂肪」でもパーム油などはほとんど飽和脂肪酸でできています。

ですので、一つ一つの原材料の脂肪酸バランスなどの性質を理解していく必要があると思います。

 

「動物性油脂(家禽脂)」と「植物性油脂(植物油)」の危険性?

ペットフードに関する情報はインターネット上に溢れていますが、多くのサイトで「動物性油脂(家禽脂)」と「植物性油脂(植物油)」は危険という記事を見かけます。

これは、「鶏脂」であれば鶏から抽出されたもの、「サーモンオイル」であれば鮭から抽出されたもの、「フラックスシードオイル」であれば亜麻仁から抽出されたものとわかりますが、「動物性油脂(家禽脂)」と「植物性油脂(植物油)」に関しては、何の動物から抽出されているのか、何の植物から抽出されたものなのか固有名称がないため危険なのではないか?という事に由来すると考えられます。

そういった他のサイトでは、レンダリング工場で作られた「4D⦅Dead(死亡している)、Dying(死にかけている)、Disabled(障害のある)、Diseased (病気のある)⦆」などが使われていると決めつけている記事もありますが、これは実際、そう疑われてもしょうがないのではないかと思います。

 

わたくし自身、これに関してはペットフード業界に入ってからずっと疑問に思っており、たしかに、原材料として「動物性油脂」を仕入れ、それを使って製造した場合、ペットフード安全法上では「動物性油脂」と表記する事になります。

この「動物性油脂」を原材料として使う事を良しとしている時点で、そのフードを疑ってしまい、自分の家の犬猫には食べさせたくないなと考えてしまいます。

しかし最近では、パッケージには記載されていなくても、メーカーのホームページやカタログ・パンフレットには記載していたり、問い合わせをする事で答えてもらえるメーカーも増えてきているようですので、一概に決めつけるのではなく、見抜く目を養う事が重要だと思います。

 

「脂肪」に関しまして「タンパク質」と同様に、肥満の対策として、低脂肪・低脂質のフードが売れ筋になっているという話しを多く聞きます。

たしかに脂肪の過剰摂取は肥満に直結しますが、足らなくなってしまうと必須脂肪酸が足らなくなり、「毛艶が悪くなる」、「皮膚のハリが落ちる」、「運動量の低下」などのトラブルが発生する可能性がありますので、特にバランスを意識する必要のある栄養素です。

 

Writing by shin.k

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