ペットフードの雑学

Q&A「安いペットフードと高いペットフードの違い」

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今回はいただいたご質問で「ペットフードの価格差の理由」というものがあったので、こちらを解説していきます。

安いペットフードと高いペットフードの違い

ペットフードの価格に関しては、本当にピンキリで1kgあたり300円ほどの物から5000円以上する物もあります。

傾向としてはドッグフードよりキャットフードの方が若干高くなり、これは「肉」の含有量や生産規模、製造量の違いが考えられます。

生産規模や製造量に関しては、生産量が増えれば原材料の仕入れコストが下がる事が多く、これはペットフードだけに言える事ではなく生産・製造されるもの全般に言えます。(スケールメリットやボリュームディスカウントなどの言葉が当てはまると思います)

これと同じく、商品の内容量が多くなるとコストパフォーマンスが高くなる事がほとんどで、同じフードでも例えば1kg2000円の物が3kgだと6000円ではなく5000円であったりするケースはよく見かけると思います。

原材料のコスト

もっと根本的な部分としては、使われている原材料のコストが反映されています。

ほかの記事でも犬猫に取ってタンパク源である「肉」の重要性は話してきましたが、原材料でコストが高いのはこの「肉」であり「肉」の含有量が増えれば自ずとコストが上がります。

ですので、この「肉」にスポットを当てて例えを挙げたいと思いますが、ペットフードではチキンをメインのタンパク源にしているものが多いので鶏肉で進めていきます。

スーパーなどでは100g100円未満のものから、ブランド鶏や肥料、飼育方法に拘った鶏肉はもっと高いものもあると思います。

今回は100g100円の鶏肉を使って1kgのペットフードを作ると仮定します。

「犬猫にしっかりタンパク源を取ってほしいから」という事で、1kgの50%にあたる500gの鶏肉を使ったとします。

これだけで最低でも500円かかります。

これに、炭水化物源として大麦やオーツ麦、脂肪源としてオイル類、更にミネラルやビタミンなどをを足して50%の500gを作っていく事で1kgになります。

逆に「コストが上がるから20%入れておけばいい」と思えば、最低で200円、これに上記のフードと同じ量(50%)の炭水化物源・脂肪源・ミネラル・ビタミンなどを足したとすると30%分の300gが足りません。

では、この300gを他の原材料で補う事が必要となりますが、多くの場合は「肉」よりも安価な穀物やイモ類の含有量を増やす傾向があります。

ここで、例えば小麦を30%使ったとすると・・・、鶏肉の20%を超えるため第一主原料が小麦という事になります。

もちろん、穀物やイモ類にも低コストのものあれば高コストのものもあります。

こちらも一般的な話しになりますが、小麦よりも大麦やオーツ麦の方が高コストですし、ジャガイモよりもタピオカ(キャッサバ芋)の方が高コストになります。

小麦やジャガイモを使っている事が低コストなわけではなく、これらを第一主原料や第二主原料に使っている事が、よく言われる「かさ増し」が疑われる事に由来すると考えられます。

実際、肉の含有量が多いメーカーは自信があるからこそ、その部分をアピールしている事が多く、プレミアムフードやナチュラルフードと呼ばれるペットフードはおおむね50%以上の含有量になっている傾向があります。

原材料以外にも生産・加工方法の影響が大きく、ドライフードよりもフリーズドライやエアドライ、セミモイスト(半生)のフードは高くなります。

他にも輸送コストや海外フードであれば為替、パッケージングもメーカーによっては気密性や遮光性に拘っていたり、更には酸化対策に窒素を充填している事なども影響してきます。

当サイトでは原材料表記の解説をしていますが、こういった部分もしっかりとチェックしていく事がフードの本質を見抜く近道になると思います。

Writing by shin.k

 

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