前回は「動物性タンパク」の解説をしました。
みなさんも、「タンパク質」というと肉類がすぐに頭に浮かぶと思いますが、今回はもう1つである「植物性タンパク」に関してお話ししていきたいと思います。
「植物性タンパク」とは?
読んで字のごとく植物に含まれるタンパク質で、「動物性タンパク」との大きな違いはアミノ酸の含有量(通称アミノ酸スコア)の違いや消化吸収率の違いが挙げられます。
「植物性タンパク」の代表的なものしては豆類が有名で、一部の野菜類や穀類、果物類にもタンパク質は含まれます。
しかし、ここで疑問をもった方もいらっしゃるかもしれません。
「ペットフード雑学・豆知識」の話しの中でも、犬は「限りなく肉食寄りの雑食」、猫は「肉食」で話しを進めていますので、「動物性タンパク」の消化吸収は得意でも、「植物性タンパク」は得意ではありません。
じゃあ、「植物性タンパク」の話しなんて飛ばしても・・・。
というわけにはいかず、ペットフードには少なからず含まれているので、続けさせていただきます。
上記の通り、得意ではない「植物性タンパク」ですので、これらをメインに大量摂取してしまうと消化不良による嘔吐や下痢、更にはアレルギーリスクを高める可能性があると考えられます。
ですので、前回のお話しで割り出しましたが、6割を超えるペットフードで第一主原料が「動物性タンパク」となっています。
「大豆」は「ガスが溜まって病気になる!?」
ここで、ペットフードに興味が深い方ですと、豆類の代表である「大豆」に関して「ガスが溜まって病気になる」という話しを聞いた事があるかもしれません。
これに関しては、わたくし自身もペットフード業界に入ってすぐに教えられましたが、このガスが発生するメカニズムは「犬猫が大豆製品を食べた際に胃の中の微生物が異常発酵を起こしガスが溜まる」というものでした。
これにより、胃捻転や鼓腸症を引き起こすと言われてましたが、近年では胃酸によって微生物はほとんど存在せず、発酵はおこりにくいという解釈が広がりつつあるようです。
しかし、アイリッシュセッターやシベリアンハスキーなど、一部、大豆に対する耐性を持っていない犬種がいるので、気を付けなければなりません。
近年、犬猫の抱えるトラブルとして、肥満が多く見受けられます。
そのため、肥満対策のフードの種類が非常に多く、実際、店頭での売れ筋もそういったフードがメインとなってきています。
一部のフードではカロリー、脂質を抑えるため、第一主原料に「植物性タンパク」を採用するメーカーもありますが、わたくしとしてはアミノ酸スコアが高く、消化吸収率も高い「動物性タンパク」を第一主原料にしたフードをベースにしながら、ダイエット方法を考えていく方がより良い食育に近づくものと考えています。
Writing by shin.k